2009年 11月 13日
今回、越境作戦である。 7月某日、モンブラントンネルを超えて、フランスのシャモニーに行った。 生憎、天気はカラリとは晴れず、曇りがちだった。
シャモニーからはエギュイ・デュ・ミディ(3842m)というピークまで上がるロープウェイが運航されている。
途中、1回乗り換えがあるが、ロープウェイという安直な手段で、一気に富士山を超える標高の険峻極まりない別世界に来れてしまうのはなんだか凄い。 ロープウェイが駅に着く直前、ゴンドラは、一気に垂直に近い角度で駅に引き込まれる。 ピークから伸びる尾根をアンザイレンして降りて行く登山者が見える。
安直なロープウェイに乗る者と、大自然の只中、己のみを頼りにする者とが、同じ空間にいる事の不思議というか、不条理な感覚に捉われる。 サファリパークで車の中からライオンを見るような気分である。
ロープウェイを降りると、凄まじい寒気だった。 ええっ、こんな寒い中、あいつら雪の中、歩いているのか!?と、本格アルピニストと、なんちゃって系のトレッカーの間のギャップにショックを受ける。
谷間を抜ける風の音が悪魔の遠吠えのように響いて、凄まじい気配にピーク全体が包まれていた。 しばらくすると、指先が冷たくなって耐えきれなくなってきた。 ロープウェイにでも乗らないのと来れない世界の圧倒的景観をカメラに収めたい感動で一杯なのだが、寒さはそれを上回る。 モンブランは雲の中だが、モンブランに続く氷河を見ると、幾張りかのテントと人の姿が認められた。 あんたらこの寒さと天候の中、モンブラン登るのか? 寒さに耐えきれず早々に一つ下の駅まで降りる事にした。 帰りのロープウェイのゴンドラの中で、ザイルやらカラビナやらアイスハーケンが下がったザックをかついだパーティーと一緒になった。 あんたら、どこをどう登り、降りてきたんだ? いささか畏敬の念を頂きつつ、ロープウェイを下る。
一つ駅を降りると、今度は悪魔の棲むピークの壮絶な世界と山麓ののどかな世界のギャップに戸惑いを覚える。 この途中駅、プラン・ディ・エギュイからすぐ下に、トレッキングルートが伸びている。 大きな岩が転がる間を下っていく。
眼下の谷間にはシャモニーの町が広がり、その向こうの山の上にはスキーのゲレンデが今は、緑の牧場のように広がって見える。 モンブラン山塊を隔てて、北と南では雰囲気が違う。 馴染みのCourmayeurから東に延びる谷は、U字谷のせいもあって、雄大さがある。 フランス側は、比較的間延びした感じがある。
ただし山の相はフランス側は厳しい。 生憎の曇り空で、グランデジョラスの北壁はしかと見えなかったが、針峰群のまさしく針のように尖った峰々が連なる景観は圧巻。
山腹を横切る道をダラダラ歩くと、やがて登りと下りの分かれ道にきた。 ここは登るべしという教えを予めネットで調べていたので、迷わず登る。 つづら折れの道を登りきると、平な岩が折り重なる先に空が映える景色が展開してきた。
ぐっとくる景色にカシャカシャ、シャッターを切りつつ登り続けると、平たい岩の堆積の向こうに、奇怪な岩のピークが見えてきた。
歩みと共に、その山の威容が見えてきた。 ドリュー(Les Drus)だった。
尖った山と言えばマッターホルンだが、マッターホルンを端麗とすれば、ドリュー
の姿はどうたとえればいいのだろう。 その天をつく急峻な威容は、畏怖の念を抱かせる圧倒的存在感がある。 このあたりは平べったい岩が無数に堆積していて、腰を据えるには、具合がいい。
日本なら鬼の宴会場とか適当な鬼伝説の名前がつきそうな場所だ。 わしらも、ここに腰を据えて、写真を撮る。
鬼の宴会場から下ると、モンテベール(Le Montenvers)の駅があり、ここから車をデポしたシャモニーに電車で戻った。
シャモニーからはエギュイ・デュ・ミディ(3842m)というピークまで上がるロープウェイが運航されている。
途中、1回乗り換えがあるが、ロープウェイという安直な手段で、一気に富士山を超える標高の険峻極まりない別世界に来れてしまうのはなんだか凄い。
安直なロープウェイに乗る者と、大自然の只中、己のみを頼りにする者とが、同じ空間にいる事の不思議というか、不条理な感覚に捉われる。 サファリパークで車の中からライオンを見るような気分である。
ロープウェイを降りると、凄まじい寒気だった。 ええっ、こんな寒い中、あいつら雪の中、歩いているのか!?と、本格アルピニストと、なんちゃって系のトレッカーの間のギャップにショックを受ける。
谷間を抜ける風の音が悪魔の遠吠えのように響いて、凄まじい気配にピーク全体が包まれていた。 しばらくすると、指先が冷たくなって耐えきれなくなってきた。
眼下の谷間にはシャモニーの町が広がり、その向こうの山の上にはスキーのゲレンデが今は、緑の牧場のように広がって見える。 モンブラン山塊を隔てて、北と南では雰囲気が違う。 馴染みのCourmayeurから東に延びる谷は、U字谷のせいもあって、雄大さがある。 フランス側は、比較的間延びした感じがある。
ただし山の相はフランス側は厳しい。 生憎の曇り空で、グランデジョラスの北壁はしかと見えなかったが、針峰群のまさしく針のように尖った峰々が連なる景観は圧巻。
山腹を横切る道をダラダラ歩くと、やがて登りと下りの分かれ道にきた。 ここは登るべしという教えを予めネットで調べていたので、迷わず登る。 つづら折れの道を登りきると、平な岩が折り重なる先に空が映える景色が展開してきた。
歩みと共に、その山の威容が見えてきた。 ドリュー(Les Drus)だった。
の姿はどうたとえればいいのだろう。 その天をつく急峻な威容は、畏怖の念を抱かせる圧倒的存在感がある。
鬼の宴会場から下ると、モンテベール(Le Montenvers)の駅があり、ここから車をデポしたシャモニーに電車で戻った。
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by passeggiatore
| 2009-11-13 07:25
| 山行